「英語の勉強を始めたいけれど、どうしても長い時間集中が続かない」
「書くことに強い負担を感じていて、英語を見るのも嫌になってしまっている」
発達特性(ADHDやLD傾向)を持つ小中学生の生徒さんの中に、このような悩みを抱えているお子さんは少なくありません。特に近年の英語教育は、公立中学校であっても初期段階から難易度が高く、最初のステップで「英語嫌い」になってしまうケースが急増しています。
そこで今回は、特性を持つお子さんや英語初学者が、挫折せずに楽しく英語の土台を作れる「書かない口頭英語学習法」をご紹介します。
目次
なぜ「書かない」のか?書字の負担を減らす絶大なメリット
学習の基本といえば「書いて覚える」ことだと思われがちです。しかし、特性を持つお子さんにとって「書く」という行為は、想像以上のエネルギーを消費する重労働です。
英語嫌いを作らないための「ハードル下げ」
ADHDの傾向がある場合、じっと机に座って単語を書き続けるのは至難の業です。また、LD(ディスレクシアなど)の傾向がある場合、アルファベットの形を認識して正しくノートに写すこと自体に強いストレスを感じます。
ここで無理に書かせようとすると、英語そのものではなく「書く作業」に対して嫌悪感を抱いてしまいます。まずは「書く」という最大のハードルを取り除き、「英語は怖くない」「自分にもわかる」というポジティブなイメージ(成功体験)を植え付けることが何より最優先です。
定番教材『ひとつひとつわかりやすく。』を口頭で進める最強の活用術
英語初学者のバイブルとも言える人気参考書『ひとつひとつわかりやすく。』シリーズ(Gakken)は、この学習法に最適のテキストです。
具体的な進め方
- 解説を一緒に読む(または指導者が噛み砕いて説明する)
- 練習問題を「書かずに」すべて口頭で答える
- 間違えた問題やピンと来ていない部分は、その場で対話しながら修正する
「書いて覚える」より「回数を回す」
もちろん、書かないことによる定着率への影響を心配される声もあるでしょう。確かに、1回解いただけでは記憶から抜け落ちやすいという側面はあります。
しかし、書かないからこそ「圧倒的なスピードで何周も繰り返せる」という大きなメリットが生まれます。ノートに1回書く時間があるなら、口頭で3回、5回と反復した方が、特性を持つお子さんの脳には心地よく、結果として定着率もアップします。
3. 数学と英語の違い:なぜ英語は「書かなくても基礎が身につく」のか?
「そうは言っても、書かなくて本当に学力がつくの?」と思われるかもしれません。ここで、他の教科(特に数学)とのアプローチの違いを整理してみましょう。
- 数学の場合: 複雑な計算や図形問題など、どうしても暗算だけでは限界があり、思考のプロセスを可視化するための「書くステップ」が避けられない側面があります。
- 英語(特に導入・基礎)の場合: 英語はあくまで「言語」です。私たちが日本語を覚えたときも、まずは「聞いて、話す(口頭)」から始まり、最後に「書く」を学びました。語学の土台(文法パターンやリズム)を作る段階においては、無理に手を動かさずとも、耳と口をフル活用すれば十分に理解と定着が可能なのです。
4. さらに効果を高める「フォニックス」との掛け算
この口頭学習法に、ぜひ組み込みたいのが「フォニックス(音と文字のルール)」です。
LD傾向のあるお子さんは、アルファベットを単なる「記号の羅列」として捉えてしまい、丸暗記に苦しむことがよくあります。
文法を口頭で学びながら、並行して「Aは『ア』、Bは『ブ』」といったフォニックスのルールをゲーム感覚で混ぜていくと、驚くほど英語のハードルが下がります。
- 探り探り「書く」のではなく、音がわかるから「読める」
- 読めるから、口頭での文法学習がさらにスムーズになる
この好循環が生まれれば、生徒さんのモチベーションは飛躍的に向上します。
まとめ:現在の「難化する中学英語」をサバイブするために
現在の中学校の英語学習は、私たちが親世代だった頃よりも進度が早く、単語量も大幅に増えています。公立中学であっても最初から容赦なく難しい表現が登場するため、置いていかれてしまう生徒さんが後を絶ちません。
だからこそ、教科書通りの「読んで、書いて、覚える」という一辺倒な方法に固執する必要はありません。
- まずは「口頭」で文法の骨組み(土台)を楽しく作る
- フォニックスで「音と文字」をリンクさせる
- 「書く」のは、英語への苦手意識が消えてからでも遅くない
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生徒さん一人ひとりの発達特性に寄り添い、まずは「英語って楽しい」「これならできる」と思えるアプローチを試してみてはいかがでしょうか。
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