家庭教師メガスタ・一橋セイシン会の破産から考える「報酬未払い」と講師の権利

気持ち

家庭教師仲介大手の「メガスタ」や「一橋セイシン会」を運営する株式会社バンザンの破産ニュースは、教育業界に大きな衝撃を与えました。特に、現場で生徒と向き合ってきた講師の方々への報酬未払いは、決して「仕方のないこと」では済まされない深刻な問題です。

       

私自身、長年この業界に身を置く一人として、今回の件は到底他人事とは思えません。精一杯指導した対価が「泣き寝入り」になりかねない現状に、強い憤りを感じています。

   
   

仲介会社は本当に「講師」を守っているか?

   

家庭教師の仲介・派遣会社の中には、誠実な運営を行っている企業も多く存在します。しかし一方で、講師の立場が極めて不安定であることも事実です。私自身、以下のような苦い経験を何度もしてきました。

       
           
  • 突然の契約終了: ご家庭の都合一つで、昨日まで情熱を注いでいた指導が一方的に打ち切られる。
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  • 不透明なマージン: 高額な月謝の一方で、講師に支払われる報酬はごく一部。
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  • トラブル時の孤立: トラブルが起きても会社は介入せず、講師が矢面に立たされる。
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「一体、何のための仲介会社なのか?」
講師をパートナーではなく、代わりの利く「駒」として扱うようなシステムは、教育の質を維持する上でも大きな障害となります。つい最近も、講師を守る姿勢が欠如した対応に遭遇し、この業界の構造的な課題を痛感したばかりです。

   
   

「フリーランス法」が講師を守る3つの柱

   

こうした理不尽な状況を是正するために施行されたのが「フリーランス法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)」です。この法律は、組織(仲介会社)に対して個人(講師)が対等な立場で契約を結べる環境を整えるためのものです。

   

1. 報酬支払期日の設定(未払いの防止)

   

今回の破産騒動で最も懸念されている「報酬の未払い」に対し、法律は厳格なルールを設けています。役務の提供(指導)が完了した日から60日以内に報酬を支払うことが義務付けられました。これにより、仲介会社が資金繰りを理由に支払いを不当に遅延させることが難しくなります。

   

2. 取引条件の明示(言った言わないの防止)

   

「急にクビを切られた」「聞いていた条件と違う」といったトラブルを防ぐため、業務内容、報酬額、支払期日などを書面または電磁的記録(メール等)で明示することが義務化されました。不当な途中解除に対する強力な抑止力となります。

   

3. 不当な経済的利益の搾取禁止

   

仲介会社がその優越的な立場を利用して、不当に低い報酬を押し付けたり、正当な理由なく報酬を減額したりすることを禁じています。講師の専門性が正当に評価されるための第一歩です。

   
   

教育の未来は「講師の権利」の先に

   

講師が安心して指導に専念できない環境では、最終的に不利益を被るのは生徒たちです。今回の破産騒動を機に、業界全体が「講師を守る仕組み」の重要性を再認識すべきではないでしょうか。

       

私たちは単なる「派遣スタッフ」ではありません。一人の教育者として、正当な権利が守られ、ご家庭・講師・仲介会社の三者が円滑に、そして誠実に繋がる業界へと是正されることを切に願います。

   
        編集後記:
        個人事業主として生きる道を選んだ私にとって、今回のニュースは身が引き締まる思いでした。ライスワークとしての収入を守るためにも、私たち自身が法律を知り、自衛していく姿勢が求められています。   

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