中学3年生の数学で、多くの生徒が最初にぶつかる壁が「乗法(展開)公式」です。今回は、どうしても公式が使えずに悩んでいた生徒さんとの経験から生まれた、ちょっとした学習のアイデアをご紹介します。
公式を覚えるのが苦手、計算ミスが減らない……そんな悩みを持つ受験生にとって、一つの救いになれば幸いです。
目次
中学数学で習う「3つの乗法(展開)公式」
教科書で習う展開公式は、大きく分けて以下の3つのパターンです。
- (x + a)(x + b) = x² + (a + b)x + ab
- (a ± b)² = a² ± 2ab + b²
- (a + b)(a – b) = a² – b²
計算を効率化するための便利なツールですが、数学が苦手な生徒さんにとっては、これが「呪文」のように見えてしまうことがあります。
「努力不足」ではなく、本当に「できない」場合がある
以前、どうしてもこの公式を使い分けることができない生徒さんがいました。当初、私は「演習量が足りないだけではないか」と考え、何度も練習を繰り返してもらいました。しかし、無理をさせるうちに、それは本人の努力不足ではなく、公式という「型」に当てはめること自体が、その子にとって極めて高いハードルなのだと気づかされました。
【力技作戦】公式を捨てて「すべて分配法則」で解く!
公式が使えないその生徒さんでしたが、基礎である「分配法則(カッコの外し方)」は完璧にできていました。そこで私が提案したのが、「入試本番では、公式を無視してすべて分配法則で解く」という戦略です。
- 確実性:公式の使い分けで迷うくらいなら、地道に4回掛け算する方がミスが減る。
- 入試対策:高校入試では、多くの場合「答え」が合っていれば点数になる。
- 自信:「解けない」という絶望感を、「時間はかかるが解ける」という自信に変える。
当たり前のことのように思えますが、真面目な生徒さんほど「公式を使わなければならない」という思い込みで自滅してしまいます。どうしても公式が苦手なら、まずは「分配法則の力技」で確実に点を取る。これが私の出した答えでした。
ただし、この作戦はあくまで「応急処置」です
この力技は、高校入試を乗り切るための「最後の手段」です。というのも、展開公式ができないままだと、その後の単元で大きな影響が出るからです。
- 因数分解・2次方程式:公式の逆の作業が必要になるため、苦戦が予想される。
- 高校数学:計算のボリュームが増えるため、分配法則だけでは時間が足りなくなる。
まずは分配法則で解けるようにした上で、余力があれば Qikeruさんの解説記事 など、覚え方の工夫がされているサイトを参考に、少しずつ公式に慣れていくのが理想です。
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